一杯の珈琲

「一杯の珈琲」がもたらすもの・・・ 「安心」「安息」「スパイス」「刺激」・・・ 珈琲には色々な要素がある。 


羽生選手の演技に感涙するファンは多い。彼の演技は「美しさ」「しなやかさ」「躍動感」「パーフェクション」そして「強さ」という様々な要素を一度に堪能することができる。そういう点では、珈琲と似ているのかもしれない。でも、珈琲はもっと個人的で、静か、そして味わい深い。


わたしは元来、珈琲飲みではない。紅茶党だ。だから、こんなことを感じるとは思わなかった。それがいつからだろう? 近所に本格的な珈琲専門店があるのだが、気分転換的にそこで作業をすることが多くなって久しい。珈琲専門店で紅茶を注文するのは邪道というものだ。そうだ、そのようにして珈琲を飲み始めたのだった。それからそれから2年くらい経つだろうか。ある時、馴染みのスタッフが”淹れ方を工夫して”くれた珈琲を私の目の前でカップに注いだ。わたしの目の前にその珈琲が置かれたとき、確かに何かがもたらされた気がした。


仕事帰りに、もうひと頑張りと思って寄ったのだった。ヨッコラショ、と思っていたら、その前になんだか素晴らしいもので労われた気がした。珈琲飲みでないわたしがここまでの感覚を味わうのだ。珈琲好きであれば、どんなだろう? 世界の畑を味わえる、独特の香りや酸味または苦味を楽しめる、気分転換、カフェイン摂取効果・・・・・・世界中にコーヒーショップがこんなにたくさん存在する理由がよくわかる。


あなたの好きな飲み物はなんだろう? そして、それはあなたに何をもたらすのだろう? 


少女時代にわたしが好きだったのは、ホットミルクとココア。あの甘さに、冬の夜長(北海道育ちです)に、温まり、暗く寒い夜を特別に特別に喜ばしくさせてくれる飲み物。湯気とともに入ってくる幸せな匂い。 


学生時代に好きだったのは炭酸飲料(親にはいい顔をされなかった)のドクターペッパーとガラナ(北海道限定販売。似た感じの味です)清涼感と、あのちょっと変な味が特別っぽくて好きだった。


大人になってからは赤ワイン。濃くの深いタンニンと、芳醇な香り。気分により上品なブルゴーニュか、どっつりしたボルドーか。そこにシガー(もちろんキューバ産)もいい。味を感じ取る味蕾(みらい)が歳をとって程よく減退(つまり老化?)した結果、楽しめる味と香りだ。


そうして今もっともわたしを楽しませてくれている飲み物は、家ではお茶類(中国茶、紅茶、チャイ、緑茶)、外では珈琲に行き着いた。生活の仕方が4歳の娘を中心にした結果だと思う。(子連れでシガーバーはないわな)


自分で淹れるお茶も美味しい。 水やコンビニで買うペットボトルのお茶ではなく、一手間かけることが、特別な時間を作ってくれる。ちょっと丁寧に自分を扱う。稼働前の時間が、これでクオリティ・タイム(質の高い時間)に変わる。


けれど、今日のように特別な淹れ方をしてもらって好みの珈琲を作ってもらうのも、とても素敵なものだ。一杯の珈琲で、ひとはこんなにも、「もてなされ」「労われた」と感じるものなのだ。


スタッフの心からの笑顔が、またさらに美味しさのエッセンスをプラスする。幸せというのは、何も男女関係や、仕事の成功、家族との時間をはじめとしたみんながすぐに思い浮かべるような“一箇所(または数カ所)”に限ったものではなく、ありとあらゆる場所からもたらされるものなんだなぁ。 


今日も人生の扉を開いて出会ってくださり、ありがとうございます。

One for you, one for me, one for cup.昔、紅茶の宣伝で言っていた言葉、実は深いね。 


特別な淹れ方をしてくれたお店は、ここ。あなたも素敵な一杯と会えるかも。

丸山珈琲


Mika Nakano Official Blog

軽井沢から、ライフ・文化・自己実現・現実化・コーチング・ピープルビジネスのエッセイをお届けしています。

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