ストレス指数の活用法

梅雨の季節から夏にかけて使われる「不快指数」は、湿度と温度を当てはめる公式があり「蒸し暑さ」を数値化したもの。体感としてのに不快感を数字で知ることができるものです。 不快度を測るためのものが「不快指数」なら、人間のストレスを図るのに「ストレス指数」(一般的呼称)というものがあります。


これは公式ではなく、人生の出来事によるストレスの度合いを数値化しているものです。ストレス指数が最も高いのは「配偶者との死別」で、これが100です。ついで「離婚」が73、次が「(配偶者との)別居」で65と、親密な関係が平穏に維持できない状態が、非常にストレスが高いとされていることがわかります。さらに「親族の死別(ストレス指数63)」、自分の「病気や障害(53)」、「解雇(47)」、「定年退職(45)」「家族の病気(44)」などがあります。特定の名前を出すのはどうかと思いましたが、こう見てみると「女性公論」の吊り革広告のようです・・・ 


これをよく見ると、いろいろなことに合点がいく気がします。  


おとなになってから起こる可能性が高い出来事が人間にとって最も“大変”であること。 40代以降には自分の結婚生活の不和と親の病気が重なっているようなケースもありそう。 おとなになるということは、子ども時代よりも「打たれる」ことが多く、その経験から強く、打たれ強くなる人もいる一方、人生の荒波に敗北感や諦めなどを感じ、その後の人生を積極的に生きなくなることもありそうです。 


また、おとなでもストレスが高いものを、子ども時代に経験することは、かなり大変であることは想像するに難くありません。幼くして親との死別・離別を経験することが、その人の人生で大きな影響があるのも無理もありません。 



「こうやって見るとね、自分は人生での大惨事を切り抜けてきたんだなーって、わかるわ。」ずいぶん前ですが、この指数を一緒に見ていた女友達が呟きました。彼女の夫はその2年前に家を出て、離婚の話し合いをしていたところでした。さらに実家の商売がうまくいかず倒産、お母さんはガンの疑いで手術をすることになっていました。わたしと会うたびに深刻な相談が続いていました。わたしも彼女のためにと一生懸命になっていたのですが、次の瞬間彼女の言葉で霧が晴れました。「だとしたら、早々人生でもうこれ以上、怖いものはないんだってことだね。」 



わたし達はその真っ只中にいる時、ことの重大さに気づいていないことがほとんどです。

自分が大変な時に「わたしはかなり大変です」ということを認識する、そして、「それなのに、かなり頑張っているんだ。よくやっている、えらいえらい。」という具合に、俯瞰しながら自分を承認することができたら、随分楽になれるはずだ。さらに、わたしの友人のように「ってことは、これ以上大変なことはそうそうないということ。」と思うのは先行きの見通しを明るくすることで、大きな助けになりそう。たいてい、後から振り返ると、そんなに深刻にならなくても良かったのに、という時でも、その渦中にいるときにはこの世の終わりと感じていたり、一生この苦しみが続くのだと思いがちで、先が見えないと感じるもの。でも、どんな大波も永遠に続くものではない、ということがわかってきて、楽に生きられるようになるはず。



そう考えると、戦争や内紛など人類が繰り返してきた惨事には、こんなストレスは日常茶飯事。夫婦や親子は引き裂かれ、自分自身さえもいつ死ぬともわからない。離婚や定年退職どころの騒ぎではありません。人間には、平和であることに対する退屈さや落ち着きのなさが、あるんでしょうかね。 



今日も人生の扉を開いて出会ってくださり、ありがとうございます。 

“平和に退屈しない”心の平安が、世界の平和を作る。    

Mika Nakano Official Blog

軽井沢から、ライフ・文化・自己実現・現実化・コーチング・ピープルビジネスのエッセイをお届けしています。

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